117
(よをうみて わがかすいとは たなばたの)*1
なみだの玉の 緒とやなる覧
よるの歌
118
まことかと みれともみえず たなば
たは、そらになきなを たてるなるべし
八月十五夜海の邊なる家に男
女いでゐて月のいるにみる
119
なにはがた しほみちくれば 山のは
に、出る月さへ みちにけるかな
たのなかにこたかがりしたる所
120
あきのたと よのなかをさへ わくごとく
かりにぞ人は おもふべらなる
花のほとりに鶴のむれゐたる
121
むれゐたる かはべにつるは きみが
ため、我おもふことを おもふべらなり
萩みたる
122
とめきつつ なかすもあるかな 我やど
の、はぎはしかにも しられざるべし
をうなのきくの花みたる所
123
おくしもの おきまかはざる きくの花
(いづれをもとの いろとかはみむ)
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117
與遠宇美天 和可々須以止八 多奈波多乃
奈美多乃玉乃 緒止也奈留覧
與留能歌
118
末己止可止 美禮止毛美盈須 多那盤
多波、曾良仁奈支奈遠 太天留奈留部之
八月十五夜海能邊奈留家爾男
女以天為天月乃以留爾美留
119
奈爾盤可太 志保美知久禮者 山能葉
爾出留月散部 美知爾希留可那
多能奈可爾己多可々利之多留所
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安支能多止 與乃奈加遠左部 和久己止久
可利仁楚人波 於毛不部良奈留
花乃保止利仁鶴乃武禮為多留
121
武礼為多留 加波部爾徒留波 幾美可
多女、我於毛不己止遠 於毛不部良奈利
萩美多留
122
登女支川々 奈可寸毛安留可奈 我也止
能、者支波之可爾毛 之良禮左留部之
遠宇奈乃幾久能花美多留所
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於久之毛能 於支末可波左留 幾久能花
(以川禮遠毛止能 以呂止可波美武)
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