元永古今(元永本古今和歌集)書見本             戻る 清書用紙 元永古今へ 戻る 練習用紙 元永古今へ

田中親美模作本 その2  
元永本古今和歌集の模作本です。元永本古今和歌集については、飯島春敬先生の解説と小松茂美先生の解説とで解釈に若干の差異が御座いますので、料紙制作の立場上加工につきましては、親美先生を含めた三者の解説を基に総合的な判断を行い独自の解釈を行っております。特に色の表現につきましては、現在の見た目と異なり臨書用紙ではやや新作感の残るものとなっております。以下に一部を掲載しておきますので参考にして下さい。

元々の料紙は表・具引唐紙、裏・装飾料紙(染金銀切箔砂子)で、白・紫・黄(黄茶系)・赤(赤茶系)・緑で15種類の唐紙模様が使われています。
1折には同柄5枚(小口10枚、項にして20項分)の唐紙料紙が使用されております。(但し上巻第10折のみ2柄使用)

項=ページのことです。(解説中の項数は、それぞれの第○○折中での項数になります。)

元永古今集 上巻 第10折 具引唐紙(白雲母摺) 『小唐草』 拡大へ 元永古今集 上巻 第9折 具引唐紙(白雲母摺) 『菱唐草』 拡大へ
元永古今集 上巻 第8折 紫ぼかし 金銀大小切箔ノゲ砂子 拡大へ 元永古今集 上巻 第8折 紫ぼかし 金銀大小切箔ノゲ砂子 拡大へ
元永古今集 上巻 第4折 具引唐紙(白雲母摺) 『花襷紋』 拡大へ 元永古今集 上巻 第4折 具引唐紙(白雲母摺) 『花襷紋』 拡大へ
元永古今集 上巻 第7折 空摺唐紙 『大波紋』 拡大へ 元永古今集 上巻 第7折 空摺唐紙 『大波紋』 拡大へ
元永古今集 上巻 第3折 金銀大小切箔ノゲ砂子 拡大へ 元永古今集 上巻 第3折 金銀大小切箔砂子 拡大へ
元永古今集 上巻 第3折 空摺唐紙 『芥子唐草』 拡大へ 元永古今集 上巻 第1折 具引唐紙(具引空摺) 『二重唐草』 拡大へ
 巻第10折 上巻第9折
 小唐草   菱唐草
上巻 第8折
花襷紋裏面 切箔砂子
上巻第8折  上巻第8折
 花襷紋   花襷紋
上巻第7折  
 大波紋   大波紋
 上巻 第3折
  芥子唐草裏面
上巻 第3折 上巻 第1折
 芥子唐草  二重唐草
元永古今集 下巻 第5折 具引唐紙(白雲母摺) 『孔雀唐草』 拡大へ 元永古今集 上巻 第19折 染・薄黄茶(中) 『丸獅子唐草』 拡大へ
元永古今集 上巻 第19折 染・薄茶(濃) 『金銀大小切箔振』(丸獅子唐草裏面) 拡大へ 元永古今集 上巻 第18折 具引唐紙(白雲母) 『丸唐草』 拡大へ
元永古今集 上巻 第16折 具引唐紙(白雲母摺) 『菱唐草』 拡大へ 元永古今集 上巻 第16折 具引唐紙(白雲母摺) 『菱唐草』 拡大へ
元永古今 上巻 第13折 花唐草 拡大へ 元永古今 上巻 第12折 唐子唐草 拡大へ
元永古今集 上巻 第12折 茶具引 金銀大小切箔ノゲ砂子 拡大へ 元永古今集 上巻 第10折 白具引 金銀大小切箔砂子 拡大へ
元永古今集 上巻 第19折 染・薄茶(濃) 『金銀大小切箔振』(丸獅子唐草裏面) 拡大へ 元永古今集 上巻 第18折 具引唐紙(白雲母) 『丸唐草』 拡大へ
         上巻第19折
        丸獅子唐草
  上巻第19折 第18折
丸獅子唐草裏 丸唐草
 上巻 第16折
    菱唐草
 上巻第13折  第12折
  花唐草  唐子唐草
  上巻第12折 第10折
  金銀大小切箔
 上巻第11折 
 丸唐草7項 丸唐草6項
元永古今集 下巻 第20折 具引唐紙(具引空摺) 『花唐草裏面』 金銀小切箔 拡大  (戻る 一覧へ) 元永古今集 下巻 第7折 具引唐紙(白雲母摺) 『丸獅子唐草』 拡大へ
元永古今集 下巻 第18折 小唐草 拡大へ 元永古今集 下巻 第18折 小唐草 拡大へ
元永古今集 下巻 第20折 具引唐紙(具引空摺) 『花唐草裏面』 金銀小切箔 拡大  (戻る 一覧へ) 元永古今集 下巻 第7折 具引唐紙(白雲母摺) 『丸獅子唐草』 拡大へ
元永古今集 下巻 第6折 巻第十四 恋歌四 『獅子唐草』 拡大へ 元永古今集 下巻 第6折 巻第十四 恋歌四 『獅子唐草』 拡大へ
元永古今集 下巻 第7折 具引唐紙 『丸獅子唐草裏面』 銀小切箔砂子 拡大へ 元永古今集 下巻 第3折 具引唐紙 『花襷紋裏面』 金銀小切箔 拡大へ
元永古今集 下巻 第2折 具引唐紙(具引空摺) 『芥子唐草裏面』 拡大へ 元永古今集 下巻 第1折 具引唐紙(具引空摺) 『花唐草』 拡大へ
 下巻第20折 第7折
金銀切箔 丸獅子唐草
 下巻 第18折
     小唐草
 下巻第20折 第7折
金銀切箔 丸獅子唐草
 下巻 第6折
  3項 獅子唐草 2項
 下巻第7折   第3折
  金銀小切箔砂子
 下巻第2折   第1折
 金銀切箔   花唐草


古今和歌集巻第十 物名歌 上巻 第18折
元永古今集 上巻 第18折 具引唐紙(白雲母) 『丸唐草』 拡大  (戻る 一覧へ)    丸唐草表面(二重複丸紋唐草)


上巻
第18折(濃・中・淡・白1・白2の内白2 右項)
第18折中の10項目


解説及び使用字母









丸唐草表面(二重複丸紋唐草)



 上巻第18折 第10項 第五紙白色具引唐紙表面 『丸唐草表面(二重複丸紋唐草)』
古今和歌集巻第十 物の名歌
上巻通しで第九十紙、欠損部分を含む350項目(現存の346項)
              かな
              使用字母

 古今和歌集巻第十

  物名

    鶯          敏行
424
 こころから 花のしづくに そぼちつつ

 うぐひすとのみ とりのなくらむ


 古今和歌集巻第十

  物名

    鶯          敏行
424
 己々呂可羅 花乃之徒久爾 曾保知川々

 宇九飛数止乃見 止利乃奈久良无


 古今和歌集巻第十
  
もののなうた
  物名歌

     鶯               藤原敏行


134

「心から花の雫にそぼちつつ、
うぐひすとのみ鳥の鳴くらむ」
心から花の雫に濡れながら、春だよとばかりに鳥が鳴いているよ。


物名歌;一首の中に物の名称を掛詞の様に詠み込んだ歌

424
(自分から進んで花から滴り落ちる露にぐっしょりと濡れながら、穴があるなら入って隠れたいとばかりに私の代わりに泣く様に鳥が鳴いているのだろうよ。)との意。

心から;自分の心が原因となって、自分から求めて。

 
ふぢはらのとしゆき
藤原敏行;平安時代初期の歌人で、三十六歌仙の一人。古今和歌集には19首が乗る。季節の風物を五感を使って感じ取り歌に表す、特定の動物と特定の植物の結びつきを歌に表し、そこからもたらされる季節感を万人の物とさへするような古今調なる歌の元を地で行く人。
うぐひす はるつげどり         はなみどり  はなよみどり にほひどり  ひとくどり  ももちどり
鶯;春告鳥。別名に春鳥・花見鳥・歌詠鳥・匂鳥・人来鳥・百千鳥などが有り、又その鳴き方から経読鳥とも呼ばれている。


                                                                       ページトップ アイコン 

古今和歌集巻第十 物名歌 上巻 第19折
元永古今集 上巻 第19折 薄茶ぼかし(濃) 金銀大小切箔砂子 拡大  (戻る 一覧へ)    丸獅子唐草裏面(金銀大小切箔砂子振)


上巻
第19折(濃・中・淡・白1・白2の内、濃の裏面)
第19折中の1項目(裏面料紙の左項)


解説及び使用字母









黄茶ぼかし(濃色)
丸獅子唐草裏面





 上巻第19折 第1項 第一紙裏面黄茶色ぼかし 『金銀大小切箔砂子振』
古今和歌集巻第十 物の名歌
上巻通しで第九十一紙、欠損部分を含む361項目(現存の357項)
              かな
              使用字母

 はりゆく

    しをに          よみ人しらず

443
 ふりはへて いざふるさとの は

 なみむと、こしをにほひに うつ

 ろひにけり

  りうたうのはな
                 友則



 波利遊久

   志遠爾         與見人之良須

443
 不利波部弖 以左布留佐止乃 者

 奈美武止、己之遠仁本比爾 宇川

 呂比二計利

   理宇太有能者那
                 友則



 
色変りゆく

     
 しをに
     紫苑               詠み人不明

443

「振り延へていざ故郷の花見むと、来しを匂ひに移ろひにけり」
殊更に、さあ故郷の花を見ようとして、わざわざ来たのに美しい盛りには遅れてしまっていたのだなあ。

   
りうたうのはな
   竜胆花
                       紀友則


紫苑;西日本に自生するキク科の多年草。秋に茎の上部で分岐した薄紫色の優美な花を多数つける。

443
(殊更に、さあ故郷の桜の花を見てみようとして、わざわざやって来たのに美しい満開の時期は過ぎて終ったことだなあ。)との落胆の意。

振り延へ;殊更に…する。わざわざ…する。「振り延ふ」の連用形。

にけり;…てしまったことだ。何かに気づいて詠嘆する意を表す。完了の助動詞「ぬ」の連用形「に」に過去の助動詞「けり」が付いたもの。

 

参考
442 きちかうのはな(桔梗花) 
秋近う野は成りにけり白露の、置ける草場も色変はりゆく」                 紀友則
野原は秋が近こうなったという事だ、白露が降りている草場も色が変わっているようだ。
(野原では秋が近くなってしまったという事ですよ、白玉の様な露が降りている草原の緑の葉色も赤や黄色に変化しているようですからね。)との意。

きのとものり
紀友則;平安時代前期の歌人で、三十六歌仙の一人。宇多・醍醐両天皇に仕え、従兄弟の紀貫之らと共に古今和歌集撰者の一人であるが、集の完成を見ずに亡くなる。格調高い流麗な歌風で、古今集をはじめ勅撰集に64首入集。家集に友則集が有る。生年845年頃〜没年905年。

りうたうのはな;竜胆の花。リンドウ科の多年草山野に自生し、古くから観賞用としても栽培する。紫色の鐘型の花を開き、葉は小さくしたササの葉に似る。音は赤褐色で苦みが甚だしく、生薬の竜胆として煎じて健胃剤に使う。


                                                                       ページトップ アイコン
 


古今和歌集巻第十 物名歌 上巻 第19折
元永古今集 上巻 第19折 淡黄茶(中) 具引唐紙 『丸獅子唐草』 拡大  (戻る 一覧へ)    丸獅子唐草表面(獅子二重丸紋唐草)


上巻
第19折(濃・中・淡・白1・白2の内、中の表面)
第19折中の18項目(表面料紙の右項)

淡茶(濃)・淡黄茶(中)・淡黄土(淡)
比較的薄い色の中での濃・中・淡です

解説及び使用字母









淡黄茶(中)具引唐紙
丸獅子唐草表面(獅子二重丸紋唐草)





 上巻第19折 第18項 第二紙淡黄茶色具引唐紙表面 『丸獅子唐草表面』
古今和歌集巻第十 物の名歌
上巻通しで第九十二紙、欠損部分を含む378項目(現存の374項)
              かな
              使用字母

    すみながし          滋春

470
 はる霞 

   ながしかよひぢ 

 なかりせば

   秋くるかりは 
      かへらざら
           まし


    
須美奈可之          滋春

470
 者流霞

   奈可之加與比知

 那可利勢波

   秋久留可利八
       加部良左良
             末之



     墨流し               滋春


470

「春霞ながし通ひ路なかりせば、秋来る雁は帰らざまし」
春霞が立っている遥かな通い路が無かったならば、秋にやって来る雁は帰らなかったであろうに。



物名歌;一首の中に物の名称を掛詞の様に詠み込んだ歌

470
(春霞が流れる様に棚引いているよ、春になったんだなあ!もし遥かな長い通い路が無かったとしたならば、秋にやって来る雁は帰らなかったのでしょうに。)との意

ながし;「流し」と「長し」の掛詞。

 

ありわらのしげはる
在原滋春;平安時代前期の歌人で、在原業平の次男として、在次君とも云われていた。一説によると「大和物語」の作者であるとも伝えられている。生没年未詳。
やまとものがたり
大和物語;平安時代の物語であるが作者は不詳、951年頃の成立。173編の小説話からなっており、前半部分には伊勢物語の系統(後撰集時代の歌人の贈答歌を中心としたもの)をひいた歌物語から成り立っており、後半の約40編には歌に結び付いた伝説的な説話の集成となっている。その後幾度か増補されている。

 

古今和歌集巻第五 秋歌下 上巻 第11折
元永古今集 上巻 第11折 薄赤茶(淡) 具引唐紙 『丸唐草』 拡大  (戻る 一覧へ)      丸唐草表面(二重複丸紋唐草)


上巻
第11折(濃・中・淡・白1・白2の内、淡の表面)
第11折中の6項目(表面料紙の右項)

薄赤茶(濃)・薄赤茶(中)・薄赤茶(淡)
比較的薄い色の中での濃・中・淡です

解説及び使用字母









薄赤茶(淡)具引唐紙
丸唐草表面(二重複丸紋唐草)
黄雲母摺




 上巻第11折 第6項 第三紙薄赤茶淡色具引唐紙表面 『丸唐草表面(二重複丸紋唐草)』
古今和歌集巻第五 秋歌下
上巻通しで第五十三紙、欠損部分を含む206項目(現存の202項)
              かな
              使用字母
281
 さほ山の ははそのもみぢ ちりぬべみ、よ

 るさへみよと 照す月かげ

   みやづかへひさしうつかうま
   つらで、山ざとにこもり侍り
   けるとき

                    藤原関雄
282
 おくやまの いはかげもみぢ ちりぬべ

 み、てるひのひかり みるよしなくて 


    題しらず           なら帝御製

 

281
 
左保山乃 者々曾乃毛美知 々利奴部美、與

 流左部美與止 照春月可个

   美也徒可部飛左之宇徒可宇万
   都良天、山左止仁古毛利侍利
   遣留止幾

                    藤原関雄
282             

 於久也末能 以者可支毛美知 々利奴部
    

 美、々流比乃比可利 美留與之奈久天


    題之良須          奈良帝御製




281

「佐保山の柞紅葉散りぬべみ、夜さへ見よと照す月影」
佐保山のははその黄葉が今にも散って終いそうなので、夜ではあるが見て措きなさいよ!と照らしてくれる月明りなことですよ。


   宮中でのお仕えを暫く離れていて、
   山里に隠れ住んでおりました時
                           藤原関雄


282

奥山の岩陰紅葉散りぬべみ、照る陽の光見る由無くて」
山奥にある岩陰の紅葉は今にも散ってしまいそうですよ、太陽の光を目にする機会も無いままで。



べみ;…そうなので。…に違いないので。

281
佐保山のははその黄葉が今にも散って終いそうなので、普段は目にすることの無い夜中の紅葉狩りになりますけれども機会を逃さないよう夜でさへ見て措くべきですよと照らしてくれる月明りであることよ!。)との意

もみぢ;「紅葉」と「黄葉」があるが、柞は殆どが黄葉。

(人里離れた奥深い山の日の当たらない岩陰にある木の葉は今にも散ってしまいそうであることよ、艶やかに色付くはずの光り輝く太陽を浴びる手段も無くてね。)との意で、日の目を見ることの無い自身の境遇と重ね合わせて詠んだ歌。


 

さおやま
佐保山;奈良山の一部の奈良市の北西部にある山で、紅葉の名所。歌枕。

ははそのもみじ
柞紅葉;柞は楢や橡などの木の総称で、その色付いた葉のこと。黄色く色付く種類が多い。

ふぢはらのせきを                        もんじょうしょう
藤原関雄;平安時代初期の貴族で文人。若くして文章生に通り文章作成に通じるが都の賑わいを好まず、閑静な林泉を好んで東山の奥へ隠居した。淳和天皇に請われて近臣に迎えられ勘解由使に仕えるが、やはり煩雑さを嫌って転職を願い出ている。官位は従五位下(生年805年〜853年没)

ならのみかどのぎょせい
奈良帝御製;平城天皇のお作りになられた歌。

 


                                                                       ページトップ アイコン
唐紙文様名中の≪ ≫内の呼名は小松茂美先生の著書での呼称です。




元永古今集 1折帖(同柄唐紙料紙5枚)分 組方参考図  戻る全臨用臨書用紙へ ページトップ アイコン
見開きにした場合に左右の項で柄が同じ又は同様の加工になる様に表・裏・表・裏・表と重ねて谷折りにした物が1折帖です。
第一紙と第二紙の間は表面同士の見開きに第二紙と第三紙の間は裏面同士の見開きとなります。
第一紙両面加工料紙は第1項・第2項及び第19項・第20項となります。

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