継色紙 (4寸5分5厘×4寸5分5厘)          戻る 臨書用紙 継色紙へ 
   古今和歌集 粘葉本・帖 染紙(木版摺)明治末期模写本

料紙二葉を使い、一葉の左半分(左項)に上の句を納め裏面には墨入れしないで、
もう一葉の右半分(右項)に下の句を納めた様式のもの。同様式の歌が8首存在しております。


茶紫色(ちゃむらさきいろ)       濃紺色(こいこんいろ)

  継色紙 明治末期写本 『梓弓』 薄茶色・濃紺色  
13.4cmx26.8cm

継色紙 明治末期写本 恋歌 
恋三

継色紙 明治末期写本 『山時鳥』
山時鳥

継色紙 明治末期写本 『明日香河』(上の句)
明日香河
継色紙 明治末期写本 『明日香河』(下の句)
明日香河

継色紙 明治末期写本 『恋しさに』 
恋焦れ

継色紙 明治末期写本 『梓弓』 
梓弓

継色紙 明治末期写本 奥書 
奥書
田中親美氏監修の継色紙で明治末期の模写本です。既に継いだ状態で作成されております。

「上の句」                   「下の句」
 あづさゆみい そべのこ松 たがよに か   よろづよか ねて たねを まきけ む
  安川左由見移 所部乃己松 多可余爾 加   與呂徒余家 年帝 堂ね遠 末支気 牟
                                        (よみびとしらず)
古今集(巻十七;雑歌上)


冊子は原本よりも大きく作られておりますが、中は木版刷りによる原寸大の物が収められて居ります。

 解説へ
 (現代語訳)

『梓弓磯辺の小松誰が世にか 萬代予て種を蒔きけむ』
現代語訳
磯辺に生えている小松よ誰かの御代に、何時までも続く世の中を願って予め種を蒔いていたのだろうか。
解釈
(磯の辺りに生えている若いこの小さな松も誰かの天皇の時代に、長寿と共に何時までも続く平和で安泰の世の中を願って予め誰かが種を蒔いていたのだろうか。)との意。

あづさゆみ
梓弓;枕詞。「いそべ」の「い」に掛り訳さない。「い」は弓を射る「い」の同音。
 た  
誰が世にか;誰かの時代に…だろうか。「にか」は断定の助動詞「なり」の連用形「に」に疑問の意を表す係助詞「か」。

けむ;…ていたのだろうか。過去の事実について原因・理由などを推量する意を表す。過去の助動詞「き」の連用形「け」に推量の助動詞「む」の連体形。確かにそうだと断定できないという疑念を持って述べる時などに使う。

小松;平安時代に、子日の小松引きの行事に使う小さな松。千代を祝して歌宴を張った。古来より長寿や繁栄の象徴として尊ばれていた。


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