元は古今和歌集を書写した、上下2冊の粘葉本。濃淡の両面加工を施した、鳥の子の染紙料紙が使用されております。表面には、羅門の漉き込みや飛び雲文様を施したもの、或いは切箔を散らした物、鳥・蝶・草銀泥下絵(花鳥折枝)を施したものなどもあり、総ての物に銀の界線が引かれております。(元々は他の目的で作られた物が、当初の用途とは別に使用された物と見られております。)この為、筋のある料紙切とみなされ、『筋切』と呼ばれております。
また粘葉装の為、裏面にも書写されており、裏面にはすべてに篩目(ふるいめ)の加工が施されております。ふるいにかける網目のことを篩目といいますが、選り分けて通す為に、この篩のことを通しとも云います。ここから裏面を『通切』と呼ばれております。
手元の資料には古今和歌集上巻 百五十五枚とありますが、所々を抜き出した抄本の状態でありその詳細が不明なため、本清書用では臨書用紙を十二枚(両面加工の為一枚は四項分)に留めております。また、銀泥下絵の物は本清書用には組入れておりません。上巻160枚(冊子の状態で1枚は2項分)、おそらく下巻も元は160枚とされていますが全文の並びが不明の為、下記12枚を繰返しとしてご利用ください。
下記は工房作成の筋切・通切です。上から番号順に組んであります。下段が裏面の色柄です。
12枚目 | 11枚目 | 10枚目 | 9枚目 | 8枚目 | 7枚目 | 6枚目 | 5枚目 | 4枚目 | 3枚目 | 2枚目 | 1枚目 |
緑 | 焦げ茶 | 青紫 | 焦げ茶 | 焦げ茶 | 焦げ茶 | 茶紫 | 淡茶 | 赤紫 | 焦げ茶 | 茶 | 淡茶 |
羅紋 | 飛雲 切箔 |
飛雲 | 羅紋 | 飛雲 切箔 |
羅紋 | 切箔 | 飛雲 | ||||
緑 | 焦げ茶 | 濃紫 | 焦げ茶 | 焦げ茶 | 焦げ茶 | からし | 淡茶 | からし | 焦げ茶 | 茶 | 淡茶 |
篩目 | 篩目 | 篩目 | 篩目 | 篩目 | 篩目 切箔 |
篩目 | 篩目 | 篩目 切箔 |
篩目 | 篩目 | 篩目 |
正規品12枚入になります
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練習用 「筋切・通切』はこちら |
筋切(料紙表面)鳥の子製特厚料紙両面加工(7寸2分×9寸2分)
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上記写真は昭和中期の模本です。粘葉本上巻(古今和歌集上)昭和27年頃までは関戸家が持っていた物を模写したものです。(幾つかの拡大写真を掲載しました。他項及び開設は後程掲載予定です。)
筋切
淡茶・飛雲 |
茶紫・羅紋 |
茶 |
抹茶 淡茶 |
通切 (筋切の裏面)鳥の子製特厚料紙両面加工(7寸2分×9寸2分)
篩目見本 |
清書用篩目見本 |
茶・篩目 | からし・篩目 | 淡茶・篩目 | 濃紫・篩目 茶・篩目 |
上掲写真筋切の裏面です、総ての物に篩目が施されています。