三十六人集・ｷﾞﾗ引唐紙

　　三十六人集　ｷﾞﾗ引唐紙　（清書用臨書用紙）　　　　　　

通常の具引唐紙は具引き染をしたものに白雲母または黄雲母で唐草柄（唐紙柄）を打ったもの。（柄が光って見える）
それに対し、ｷﾞﾗ引唐紙は具引き染したものに更に全面にｷﾞﾗ引きをして、胡粉で唐草柄（唐紙柄）を打ち出したもの（地は輝き、柄が沈んで見える）です。


貫之集・下 (つらゆきしゅう・げ)	公忠集（きみただしゅう）	躬恒集（みつねしゅう）	躬恒集（みつねしゅう）	赤人集（あかひとしゅう）	赤人集（あかひとしゅう）	具引唐紙（通常の物）

公忠集（きみただしゅう）	公忠集（きみただしゅう）	公忠集（きみただしゅう）	躬恒集（みつねしゅう）	伊勢集（いせしゅう）	兼盛集（かねもりしゅう）	ｷﾞﾗ引唐紙（花鳥折枝）

ｷﾞﾗ引唐紙（出方の違い）	具引唐紙（出方の違い）	ｷﾞﾗ引唐紙（出方の違い）	具引唐紙（出方の違い）	兼盛集（かねもりしゅう）	兼盛集（かねもりしゅう）	ｷﾞﾗ引唐紙（花鳥折枝）

西本願寺本三十六人集には様々な装飾料紙が使用されております。具引唐紙を始め、染紙や具引紙或はこれらに暈しや絵・金銀彩を施した装飾料紙、破り継料紙、重ね継料紙及び切継料紙等で、殆どの料紙に金銀で花鳥折枝が描かれているのが特徴です。当時集められる凡その美術料紙がふんだんに用いられております。
三十六人集で使われております具引唐紙の一部です。

公忠集・ｷﾞﾗ引唐紙（小唐草）　書手本　縦6寸7分、横1尺5分5厘

歌番号は公忠集での通し番号　　　　　　　　　　　　　　　青色文字は使用字母

　きむただしゅう
　公忠集
　　　おほむ　　ごいくろうど
　　延喜御ときに五位蔵人にてさぶらひ

　　けるを御譲位にあひてはなれにけ
　　　　すざくいん　　じょうへい
　　れば朱雀院御とき承平八年十一月に

　　またかへりなりてあくるとしの正月に

　　おほむあそびのついでにむめのはな

　　ををりて

１
　ももしきにかはらぬものはむめのはな、をり
　てかざせるにほひなりけり

　　　公忠集

　延喜御止幾爾五位蔵人爾天佐不良比

　計留遠御譲位爾安比天者那連仁希

　礼盤朱雀院御止幾承平八年十一月爾

　末多可部利奈利天安久留止之乃正月仁

　於保无安曾比乃徒以天爾武女乃者那

　遠々利天

１
　毛々之幾爾可波良奴毛乃者武女乃者那、遠利
　天可佐世留爾保比奈利計利

「禮」は「礼」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「个」は「介」とすることも。

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ｷﾞﾗ引唐紙と具引唐紙の違い


ｷﾞﾗ引唐紙（小唐草）唐草柄が艶消しで沈んで見えます。（胡粉打）地色の方が輝いて見えます。数少ないタイプです。写真は黄雲母と金雲母の混合で薄金色に見えます。	具引唐紙（小唐草）唐草柄が光り輝いて見えます。（雲母打）通常の唐紙はこちらのタイプです。写真は黄雲母と金雲母の混合で薄金色に見えます。
ｷﾞﾗ引唐紙『獅子唐草』	具引唐紙『丸獅子唐草』
ｷﾞﾗ引唐紙『獅子唐草』（繋丸紋獅子唐草）唐草柄が艶消しで沈んで見えます。（胡粉打）地色の方が輝いて見えます。数少ないタイプですが、家集によっては多用している物も在ります。写真の地色のギラ引は金雲母の混合引になります	具引唐紙『丸獅子唐草』（獅子二重丸紋唐草）唐草柄が光り輝いて見えます。（雲母打）通常の唐紙はこちらのタイプです。写真の柄のギラ打は白雲母の柄摺になります。
ｷﾞﾗ引唐紙『花唐草』	具引唐紙『花唐草』
ｷﾞﾗ引唐紙『花唐草』唐草柄が艶消しで沈んで見えます。（胡粉柄摺）地色の方が輝いて見えます。数少ないタイプですが、家集によっては多用している物も在ります。	具引唐紙『花唐草』唐草柄が光り輝いて見えます。（雲母柄摺）通常の唐紙はこちらのタイプです。


貫之集・下 (つらゆきしゅう・げ)	公忠集（きみただしゅう）	躬恒集（みつねしゅう）	躬恒集（みつねしゅう）	赤人集（あかひとしゅう）	赤人集（あかひとしゅう）	具引唐紙（通常の物）

公忠集（きみただしゅう）	公忠集（きみただしゅう）	公忠集（きみただしゅう）	躬恒集（みつねしゅう）	伊勢集（いせしゅう）	兼盛集（かねもりしゅう）	ｷﾞﾗ引唐紙（花鳥折枝）

ｷﾞﾗ引唐紙（出方の違い）	具引唐紙（出方の違い）	ｷﾞﾗ引唐紙（出方の違い）	具引唐紙（出方の違い）	兼盛集（かねもりしゅう）	兼盛集（かねもりしゅう）	ｷﾞﾗ引唐紙（花鳥折枝）


ｷﾞﾗ引唐紙（小唐草）唐草柄が艶消しで沈んで見えます。（胡粉打）地色の方が輝いて見えます。数少ないタイプです。写真は黄雲母と金雲母の混合で薄金色に見えます。	具引唐紙（小唐草）唐草柄が光り輝いて見えます。（雲母打）通常の唐紙はこちらのタイプです。写真は黄雲母と金雲母の混合で薄金色に見えます。
ｷﾞﾗ引唐紙『獅子唐草』	具引唐紙『丸獅子唐草』
ｷﾞﾗ引唐紙『獅子唐草』（繋丸紋獅子唐草）唐草柄が艶消しで沈んで見えます。（胡粉打）地色の方が輝いて見えます。数少ないタイプですが、家集によっては多用している物も在ります。写真の地色のギラ引は金雲母の混合引になります	具引唐紙『丸獅子唐草』（獅子二重丸紋唐草）唐草柄が光り輝いて見えます。（雲母打）通常の唐紙はこちらのタイプです。写真の柄のギラ打は白雲母の柄摺になります。
ｷﾞﾗ引唐紙『花唐草』	具引唐紙『花唐草』
ｷﾞﾗ引唐紙『花唐草』唐草柄が艶消しで沈んで見えます。（胡粉柄摺）地色の方が輝いて見えます。数少ないタイプですが、家集によっては多用している物も在ります。	具引唐紙『花唐草』唐草柄が光り輝いて見えます。（雲母柄摺）通常の唐紙はこちらのタイプです。